「幸せはお金で買える」は1/3だけ正解?幸福の資本論の本書評

幸福の資本論 おすすめ本

こんにちは!

資産運用ブロガーのアオキ(@aoki_inv)です。

最近は結構本を読んでいて書評記事を書いているのですが、今回は人気作家の橘玲さん著「幸福の資本論」。

改めて「どうしたら幸せを感じられるのかな?」と思っていた時に読んだ本です。

20代の時は年収1,000万くらい行けば、劇的に人生が変わってハッピーになるんだろうと思っていたのですが、実際なってみても「人生はそこまで変わらなかった・・・。」という経験を経たうえで記事を書いてみます。

幸せはお金で買える?幸福の資本論の主張

幸福の資本論(あなたの未来を決める「3つの資本」と「8つの人生パターン」)という本のタイトルにある通り、この本では下記のような主張をしています。

3つの資本

  1. 金融資産(自由)
  2. 人的資本(自己実現)
  3. 社会資本(共同体=絆)

幸せになれる条件として「自由」「自己実現」「共同体=絆」の3つが挙げられる。

この3つを実現するためにそれぞれ「金融資産」「人的資本」「社会資本」が必要になるという感じです。

宝くじに当たった人の末路

わかりやすい例が、本に書かれていた宝くじ一等に当たった人の例です。

宝くじ一等に当たった人は金融資産は一瞬でMAXになります。(一瞬で自由になる)

しかし、宝くじに当たった人はだいたい勤務していた会社を辞めてしまうので人的資本は0になってしまう。

これに加えて大金を手にしたことで、親族や友人からお金を求められるようになってしまうことで回りを遠ざけてしまい、結果的に社会資本も失ってしまう。

この時点で、お金だけはたくさんある(金融資産はMAX)だけど、それ以外は何もない人になってしまいますね。

1/3だけ幸せをお金で買えている状態です。

さらに多額の資産を管理できるマインドがない状態で大金を手にしてしまった人は自分が唯一持っている金融資産をどんどん使ってしまい、最終的にはお金を使い切ってしまう。

そして、「金融資産」「人的資本」「社会資本」全てが0の状態になり、不幸な人になると。

宝くじ一等が当たった人は不幸になると良く言われていますが、「幸せ」をこういう風に分解できると納得できました。

幸せになるにはどうしたらいいの?

「幸福の資本論」的に考えると、次の3つを増やしていくことで幸せになれることになります。

先程の言葉より簡単にいうと下記のようになるのかなと。

  1. 金融資産(人生の自由度を上げる)
  2. 人的資本(自己実現を果たす)
  3. 社会資本(人とのつながりを増やす)

一つずつ考えてみます。

①金融資産(人生の自由度を上げる)

お金があれば人生の自由度を上げることができます。

例えば、あなたが100億円資産を持っていれば、わざわざお金のために嫌な仕事をしなくて良くなりますよね。

お金がネックでできなかったこともできるようになると考えると、人生の自由度が上がるのは間違いないです。

本でも書かれていますが「年収800万円&資産1億円までは、収入や資産が増えれば増えるほど幸福度が上がる」と良く言われます。

実際、僕自身も年収330万円程度の状態から抜け出して年収1,000万円近くになったときは、幸な状態からは抜け出せた」けど幸せになったか?と聞かれると、そういう感じでもありませんでした。

お金がなくて不幸になっている。または、やりたいことがあるけどお金がネックでできない、という人はまず稼げるお金の額を増やして資産を築いたり年収を上げることに時間を費やしてみると良いかもしれません。

②人的資本(自己実現を果たす)

そもそも自己実現とは何か?という話ですね。

自己実現(self-actualization)
人間の欲求のうち最も高度であり,同時に最も人間的な欲求として,自己の内面的欲求を社会生活において実現すること。アメリカの心理学者 A.マズローは 1954年に欲求5段階説を発表した。人間には下位から順に生理的欲求,安全への欲求,社会的欲求,自尊欲求,自己実現欲求があり,下位の欲求が充足されると,より上位の欲求が人間の行動動機となるとした。自己実現欲求は,人間の物質的欲求が充足されたあとに発現する欲求である。したがって豊かな社会においては,この自己実現欲求が人間の重要な行動動機であると考えられている。

コトバンク

難しいです(笑)

ここは僕個人の解釈になってしまいますが、自己実現を果たしている状態とは下記のような状態だと思っています。

  • 仕事か仕事じゃないかに関わらず、自分のやりたいことができている
  • やっていることが他者への貢献につながっている

自分が楽しいと思えるような活動や仕事を通じて社会の役に立つと実感することができれば、少なくとも僕は幸福度は上がると思います。

人をだましたり、恨まれたりしながら仕事をしていても、少なくとも感情としては楽しいと思える人はあまりいないですよね。

自分の能力を最大限発揮できて、かつ人の役に立つ仕事を見つけて、日々成長していくことが自己実現欲求を満たすことになりそうです。

③社会資本(人とのつながりを増やす)

これはシンプルで「孤独だと幸せになりづらい」という話です。

たとえば、一生、無人島で一人だけで暮らしている状態で幸せを感じられる人はあまりいないのではないでしょうか。

お金を稼いだり、仕事を頑張るのは言うまでもなく大事だと思うのですが、同じくらい友達や仲間を増やすことの重要さは軽視されているように思っていて、自分自身も軽視してしまっていたところがあります。

家族、仕事以外の人間関係がないという人も多いと思いますが、そういう人の場合は趣味のコミュニティに入る(もしくは作る)などの人間関係を作る努力が必要かもしれません。

「仕事一筋で生きてきて定年になって仕事がなくなった途端に孤独になる」という人が増えているというニュースを見たりしますが、このような状態にならないように気を付けるといいですね。

まとめ:幸福の資本論で考える幸せ

復習してみると幸せになる活動として、下記の3つを意識することが大事ですね。

  1. 金融資産(人生の自由度を上げる)
  2. 人的資本(自己実現を果たす)
  3. 社会資本(人とのつながりを増やす)

結局、僕が年収が上がったり貯金が劇的に増えたりしても、いまいち幸福感を得られなかったのは、①金融資産(人生の自由度)だけ増えて、②③の自己実現や人とのつながりが増えなかったからだと、今振り返ると思います。

お金さえあれば幸せになれるという単純なものではないということですね。

今後の日本では、金融資産を築いていく難易度が上がると予想されますので②③もバランスよく資産を築いていくことも幸福度上げやすくなるかもしれません。

ということで、自分の幸福について考える機会として「幸福の資本論」の本を読んでみることはオススメです。